2010年4月20日火曜日

書評 ルポ 貧困大国アメリカ II


まず著者の紹介だが、アメリカ在住の日本人女性で、ニューヨークのNGOや日系金融機関で就労後、今はジャーナリストとして活躍されている方だ。

同書は、前書「ルポ 貧困大国アメリカ」の第二部作で、今回は主に、教育(学資ローン)、医療、刑務所問題などに焦点を当てている。

同書は、日本でベストセラーにもなったと聞くが、アメリカの貧困問題が日本でもこれだけ関心が高いことには正直驚く。アメリカの現状が将来の日本の姿としてとらえられているのかも知れないが、少なくとも同書で書かれていることが将来日本で起こらないことを切に願いたい。

さて、最初の教育(学資ローン)だが、一般にアメリカの私立大学の学費は、日本円で年間300-400万円前後であるらしい。日本の大学(文系学部)の学費が年間、100万円前後と考えるといかに日本の学費が安いかあらためてわかる。余談だが、私の息子が通っているドバイのアメリカンスクールの学費も小学校2年生で、日本円で130万円前後であるから、大学で300-400万円というのはアメリカでは一般的なのであろう。

話しがそれたので戻るが、学費が年間300-400万円ということは、アメリカでは卒業までに学費のみで約2000万円程度の費用が必要ということになる。これに生活費なども入れたら更にお金が必要になるわけだが、多くの学生はこの費用を賄うために学資ローンというものを利用しているらしい。そのため、大学を卒業した時点で、借金が2000-3000万円程度あることも珍しくないとのことで、現在の日本ではこのようなことは考えられない。

もちろん卒業後すぐに、年収1000万円前後の職に付けば、学資ローンの返済もさほど問題はないだろうが、昨今の経済不況やエリート大学の卒業生以外は、このような高所得の職に就けれないことから、高額の学資ローンの返済に苦しむ学生(卒業生)が非常に増えているとのことだ。

大学卒業時に借金が数千万円程度あること自体、非常にショッキングであるが更に驚かされることはこの学資ローンの取り立てが日本のサラ金並み(又はそれ以上に)厳しく、就職が出来なかった又は失業したことにて、返済が滞ったことにて社会の階層を転落していく若者が非常に多いという事実だ。

日本では、例えば多くの借金を抱えても自己破産という制度にてもう一度(人生を)リセットすることも可能であるが、アメリカの学資ローンに関しては自己破産というものは適応されないため(学資ローンのみ自己破産が適応されない)どういう状態であろうと、返済をする必要がある。このため返済不能になっても解決策はなく確実に社会の底辺に転落をするという恐ろしいシステムであるが、学資ローンがこのようなシステムになっていること自体、借りようとする18歳前後の若い学生たちは知ることもなく、学資ローンを提供している金融機関が莫大な利益をあげているらしい。

同書では、その他にも医療問題(医療保険)、社会保障(年金)、刑務所の民営化やアウトソーシングなどに付いても書かれており、全て非常にショッキングな内容である。

過去、日本は常にアメリカを一つの模範としてきたが、同書に書かれているようなことだけは避けてほしいと切に願う。

2010年4月18日日曜日

書評 現代アメリカ宗教地図



この本の著者は、仏教系の大学の教授をされている44歳の女性の方である。余談だが大学の教授と言えば、父の影響もあり何となく年配の方というイメージがあるが、この本の著者はまだ44歳と若くきっと優秀なのであろうと勝手に推測をしてしまう。

さて、この本だが、ブッシュ政権時に日本でも「宗教右派」や「バイブルベルト」などという言葉が頻繁にマスコミなどで使われたが、アメリカの宗教に付いて書かれた内容の本だ。

アメリカは非常な格差社会であるのと同じく、非常に宗教的な国であることも意外とあまり知られていない事実ではないかと思う。アメリカ人の大半は、日曜日に教会に行き、食事の前には御祈りをするなど非常に宗教的で、アメリカ社会から宗教を切り離すことはできない。もちろのこの場合の宗教はキリスト教を指すわけだが、アラブ圏の各国が非常に宗教的(この場合はイスラム教)であると言われるようアメリカもそれに劣らず非常に宗教的な国だ。

同書では、キリスト教の新旧宗派やアメリカでの他宗教(仏教、イスラム教、その他新興宗教など)に付いて項目別に書かれているが、正直内容的には非常に簡単であまり深くは突っ込んではいないと感じた。

もちろん宗教というのは非常に重く難しいテーマーでもあるので、あまり専門的になると一般の読者には難しく受けないということも考慮するとどうしてもあっさりとあまり深くは書けないというのもあるのかも知れまない。

この本もアメリカの宗教の一般的な説明というレベルの本であり、広く浅くという意味では、アメリカの宗教に付いての一つのガイドラインとしては役に立つ。

アメリカは新興宗教のメッカでもあるので、本音を言えばもう少し詳しく新興宗教に付いての説明や記述があれば面白いと思った。

また、同書は文章とユーチューブの画像をミックスさせ、新しい形の文章の紹介。ユーチューブの動画を見ることにて文章での説明のみでなく視覚にも訴えるという試みらしいが、正直本を読みながら、そのたびにユーチューブのアドレスを毎回PCに入力してオンラインに行くのは少し無理があるような気がする。

書評 ニューヨーカーはどこまで強欲か


前回のブログでも書いたように最近は私は、ゴジラーなので読書が進み、最近読んだ本を紹介したい。
先ずは、「ニューヨーカーはどこまで強欲か」というこの本だ。

著者の女性は、私とほぼ同じ年代の方で、日系のマスコミ出身のジャーナリストで、現在はアメリカ在住のフリージャーナリスト。本の内容としては、一般目線で見たアメリカの生活の疑問、違いや比較であり、よくある内容で特別目新しいものではない。特にアメリカ社会では問題になっている格差社会や二極化現象に付いて教育、住宅、医療などの面について書いてあるが、アメリカを知る人であればアメリカの格差社会は別に目新しいものでもなくこれと言って新鮮味はない。

この手の本は、沢山あり色々な方が書いてあり概ね内容が似通ってくるが、基本的に各自の個人的な体験や経験を通して書かれているため、内容が似ていても書物としては楽しめる。文章も内容も読みやすく、娯楽としての本とみれば楽しめる。

アメリカと言えば、日本人の観光客が行く、ニューヨーク、LA、ラスベガスなどしか知らない人にとっては違うアメリカの一面(逆に真のアメリカ)を知るという意味では意義のある本である。また、これからアメリカに駐在される人などもアメリカを知る本としては参考になると思う。

2010年4月15日木曜日

時差、ゴジラー

旅行をしている割には、私は時差に弱い。毎回ドバイから日本に行くと、最初の3日ぐらい疲れているにも関わらず、ペットに入っても夜中の3時過ぎまで寝れないことが多い。ドバイと夏は時差が2時間しかないヨーロッパでも、ドイツに行くと朝の5,6時ぐらいにはぱっちりと目が覚め、朝食のためレストランやカフェーが開くまで良く一人で部屋で待っていることがある。アメリカなどに行った時はもっとひどく、午後ぐらいには眠気を感じ、夜中の2,3時に元気で朝まで手持ちぶさでホテルの部屋で待っていたことも何度かある。

さて、今回もドバイに戻ってきて朝の5時ぐらいには目が覚めるという生活が続いている。今までは、そのまままた寝ようとしていたが、今回はせっかく朝早く無理なく目が覚めるのでこれを有効活用しようと思い立った。

そんな中、先日日経新聞(2010年4月10日、Nikkei Plus1 5ページ)を読んでいたら面白い記事が出ていた。「ヨジラー」という言葉があり、朝4時に起きて活動をする人たちのことらしい。とりあえず、日経の記事を活用する、

これは朝4時に起きる人たちのこと。で、クリアな頭で効率よく、仕事やら、メールやらをかたづけてしまう。なかにはそんな早起きが集まって、勉強会や読書会を開くというパターンもあるらし。ちなみに1時間出遅れるけど、それでも十分早起きの「ゴジラー」(朝5時起きの人)なんて言葉もある。

この記事に影響をされたわけではないけど、時差のおかけで無理なく朝早く起きれるのであれば、この時間を有効活用するのに越したことはない。そんなわけで、日本から帰ってきてからは毎朝、私はゴジラーになっている。

8時過ぎに自宅を出て事務所に行くので、毎日3時間弱時間を多く使える計算になりなんだか得した気分になる。で、この得した時間何をしているかというと、読書に当てている。

正直普通に生活をしていたら読書に時間を割くのは難しいと思う。昼間は仕事をしているので、なんとなく読書をする気分ではないし、普通に仕事をしている人であれば問題外だ。夕方、晩、家に帰ってきたら、家族やパートナーとのだんらんや食事をしたりテレビやDVDを見たりと読書に時間を費やすことは中々難しい。基本的に読書は、孤独な作業なので、パートナーや家族の前で一人で黙々と本を読む行為はなんとなくいい気持はしない。

そんなことからも、ゴジラーになったことで読書の時間を取れたことは非常にありがたい。

次回は、読んだ本を紹介したいと思う。

2010年4月11日日曜日


日本に行った時の楽しみの一つは、毎回本を購入することです。ドバイにも紀伊国屋がオープンしたことにて日本語の本を現地で購入することもできますが、価格や品ぞろえを考慮しますとやはり日本で買う方が断然お得ですし、種類も豊富です。

さて、今回購入した本の中で、写真にもあります「世界の独裁国家がよくわかる本」というのがあります。独裁という言葉を聞くと、どうしてもヒットラーやムッソリーニーなどのファシズムをイメージし、独裁=悪という図式がなんとなく頭にありますが、私が住んでいるドバイもシェイクによる独裁国家でありますし、ドバイのみならず湾岸地域の殆どの国がそうであり、政権が最近崩壊したキルギスも独裁国家です。

ドバイなどを例にすれば、独裁国家であってもそのことにて生活環境に支障が出ているのかといえば、全くの自由でありいわゆる民主的と言われ国々とて比較しても問題はありません。この本によれぱ、民社的であると思われているシンガポールやリヒテンシュタイン公国なども独裁国家のカテゴリーに入りますので、独裁の許容範囲もかなり広いみたいです。

さて、今回キルギスの政権は、バキェフ大統領の絵にかいたような独裁政権にて崩壊をしましたが、なぜか同書にはキルギスと隣接しているその他の中央アジアの国々は全て、下記のように独裁国家として紹介されていましたが、肝心のキルギスは紹介されていませんでした。

トルクメニスタン:キテレツに個人崇拝の徹底
ウズベキスタン:イスラム原理主義との戦いに明け暮れる政権
カザフスタン:旧ソ連式体制
タジキスタン:国際社会に見捨てられた秘境の国

最初、肝心なキルギスタンが出ていないのはあまりにもマイナーで日本では誰も知らないためかと思いましたが、正直同書に紹介されているカザフスタン以外の中央アジアの国々はキルギス並みにマイナーでもありますので、ただ単に著者の認識不足かキルギスを独裁国家と思っていなかったのかよくわかりません。

2010年4月9日金曜日

キルギス政府崩壊??

さて、今日は日本最後の日です。今夜の便でドバイに帰ります。今回の日本訪問の一つはキルギスでのビジネスや投資の話し、日本政府関係者とのキルギス関係に付いての会談などとキルギスマターが中心でした。そんな中、日本時間の一昨日の晩から私の携帯にキルギス関係のメールが次々と入ってきました。最初は、「首都のビシュケクで反政府デモ」、その後「死傷者が出た模様」、「治安部隊がデモ部隊に発砲」、「大統領の行方が不明」、「臨時政府発足」とタイムリーに。最初は気にしていませんでしたが、事体が深刻と察し、昨日は殆ど一日情報収集に時間をついやしました。

よりによって日本訪問中にこのようなことが起こるなんて...........

5年前、民衆の多大な指示を得て発足し、安定をしていると思っていたバーキェフ政権がこんなにあっけなく倒れたことに驚きを隠せません。今回の武力による政権交代は、確実に国際社会にキルギスのイメージを低下させたことは疑いの余地はありません。

キルギスが今後どのように変わるのかは予想も付きませんが、今までと変わらず出来ることはしたいと思っています。

2010年4月7日水曜日

東京

東京での滞在も後残す1日となりました。都内での移動は、全て車ですが今回は自分で運転をしています。そこで気づいたことですが、以外と運転している距離が短いということです。

例えばドバイの自宅から事務所までは約15kmで、往復で30kmになります。その他にもモールやホテルなど移動すると一日50-60kmぐらいは走っているのではないでしょうか。東京では、滞在先の白金をベースに動いていますが、気づいたことはどこに行くのにも7-8km以内ということです。もちろん殆どのお客さんや訪れる先は港区内やその周辺ということも関係しているのでしょうが、東京より断然小さいドバイの方が実際に毎日移動している距離は多いことになります。

東京での移動は地下鉄などのイメージがありますが以外と車での移動も便利で効率的です。